夏の終わりといっても気温差しか感じないほど情緒を失ってしまったヨタロぅです。
今日は、ザック・エフロンのWE ARE YOUR FRIENDSです。
主人公は、DJとして名を残そうと曲作りに励んでいる。売れっ子DJとの出会いから自分の環境を見つめ直す。
おすすめです。
宣伝時には、アゲアゲのパーティームービーみたいな売り方だったらしいです。たしかに題材はEDM、エレクトリックダンスミュージックですが、中身は成長とともに青春が終わっていく寂しいい雰囲気の映画でした。ロード・オブ・ドッグタウンみたいな、眩しいだけじゃない青春モノが好きだったら楽しめるはず。
セリフをサンプリングしてディレイ再生するというシーンがあるので吹替ではなく字幕で見たほうがいいかも。
EDM門外漢でも、多少は説明するシーンがある。客が盛り上がるBPMは128が良いとか、白けた雰囲気を打破する踊り手が必要だとか。
とはいえ、先述のとうり、メインとなるのは青春の終わり。
主人公は有名DJと仲良くなるが、今までつるんできた仲間を紹介するのが恥ずかしいとか、仲間内で一番冴えないやつが考えていることとか。金を稼ぐ仕事か、夢か。
個人的に一番好きなのは、クラブを仕切るのが夢だと行っている粗野なヤツ。基本的になにも考えていなくて、その場のノリだけで生きている。将来設計は皆無。ただ、自分でもその不安定さは肌で感じていて、それでもそれを具体的な言葉にできるほど能はない。それで自分が苛立っている原因もわからず更に苛立つ。
主人公四人組人物造形は素晴らしかった。
そのかわりに、ヒロインはお話をかき回すだけのトリックスターとしての役割に徹していてあまり印象には残らなかった。
監督は、長編劇映画の経験が浅いため、平時の場面と、ライブシーン、ドラッグを摂取してのトリップシーンにあまり差が見られず平坦な感じがする。
ドラマ構成も、中盤の唐突な悲劇展開とか、なにか通底して物語を牽引する要素も少ないので、上質な傑作とは言い難い。
でも、お気楽な映画だとおもってたかをくくってみたら、思いの外苦い余韻を残していい映画だと思いました。
先述のとおり、字幕がおすすめ。日本語を曲に落とし込むのは違和感が大きいし、翻訳もなんだか変な感じ。
印象的なフレーズとして、主人公がサンプリングした友人の声。
Are we ever going to be better than this?
字幕では「這い上がれるか?」となっていて客へのアオリにも聞こえてライブシーンにマッチしている。
吹替では「俺達はこのままなのか」なっていて悲壮感が漂いすぎて客が盛り上げるとは思えない。
他の場面ではおかしなセリフとかはなかったのに、なんだか残念なことに。