すわっ!
なんか時刻にかかわらない挨拶って無いものでしょうか。こんにちは。だったら、今日は、だから良いのでしょうかヨタロぅです。
若い女性が、金持ちの家に雇われて、なんだか主人が色目で見始めるってな話。
それだけで、昼メロ的な面白さは保証されてるってもんです。ゴシップものとして堅実に面白い。
日本人としてはピンとこない韓国の格差事情も、庶民とクソ金持ちというわかりやすい構図になっているので、すんなり理解できます。
豪奢な邸宅内をグラフィカルに撮影していてそれだけで見ていられる。濡れ場でも他では見れない面白い構図で取っていて画作りだけでも見る価値あり。
お話については、先述の通りよくあるメロドラマ。
ただし安っぽいものに落ちてないのは、傍観者として登場する先輩侍女の存在。
主人公が、のんきに侍女として働いていて「この仕事は嫌いじゃない」なんて言っている中、先輩侍女は「最低の仕事、吐き気がする」とまで言い金持ちに不快感を覚えている。ただし、年配である自覚から「私はこの仕事で一生を終える」と言う。
さらっと流される要素だけど、この先輩侍女の息子が検事の試験に合格したと分かる場面がある。
その息子なら上流階級の仲間入りも可能だろう。だからこそラストの決断も下せる。
しかし韓国は学歴社会。学を持たない主人公は金持ちに良いように使われ、ボロ雑巾のように捨てられる。さらには、復讐するにしても発想の限界がある。映画冒頭に登場する名もなき自殺者と同じように「なかったことに」されてしまう。
些細なセリフに含意をもたせるのがウマいので、物語も非常に飲み込みやすくまとまっている。
主人公の友人が、それとなく「あったことを、なかったことにはできない」という一方で「なかったことにするしかない」と言って現状を受け入れるよう示唆している。
そして、最後に金持ち夫婦が、主人公のことなど「なかったこと」にしている一方で、幼い子供はどこか一点を見つめている。両親とは違う方向を見て、何を思うのか。うつろにも見える視線だが、小さな目には、主人公の存在が焼き付いているのだろう。少なくともこの子にとっては「なかったこと」になってはいないのだ。
含みのもたせ方がスマートで、それを見てるだけでも楽しかった。